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沢登り

2024年6月16日 (日)

梅雨入り前に

梅雨入り前にもう一度、と秩父の溪に行って来た。
高価な年券を買ってしまったので、できるだけ行っておかないと損だ、という貧乏根性である。

今回はヤマメとイワナの混生域。
できればイワナよりヤマメに会いたいと、あえて激戦区に入ってみた。

30分ほどの下降で支流の出会いに到着。
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やはりちょっと水が多い。

すぐに出てくれたのは6寸のイワナ。
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今日は水が多くても反応は良い感じ。

あれ?こんな所あったっけ? 
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倒木をくぐり乗り越えて先へ。

 ちょっとサイズアップ。
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右の巻き返しで出た。
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反応はまあまあだが、イワナばかりでヤマメが出ない。
いつもはこの辺だと半々くらいでヤマメが混じるのだけど。。

深い谷に日が差し込んで、気温が上がってきた。そろそろ良い時間。
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でもイワナばかり。
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この瀬尻で出た、こういう場所で釣れると嬉しい。
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しばらくは瀬が続いて快適な遡行。
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今日最大、と言っても8寸ちょいかな。
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1本目の沢を過ぎて、ちょっと行ったところの淵。
平水なら水線でなんとか行けるのだが、今日は水流が強すぎて無理。
右から巻けるが、かなり追い上げられるし、最後は泥付きの急斜面を降りなければならない。

腰まで浸かれば真ん中の岩に取りつけるかな?とヘツって行ってみる。
良いホールドが無くて、かろうじて指先がちょっと引っかかるくらいの岩のシワに掴まって足の置き場を探す。
が、足場の方もおぼつかない。
やはりちょっと引っかかるくらいの段差があるだけ。
クライミングシューズなら立ち込めるが、沢タビでは体重をかけるには心許ない。

行ける気がしなかったが、ここまで来て戻るのも面倒なので強引に登ってみる。
両肘のフリクションを効かせ、無理やり這い上がろうとしたら、見事に剥がされて仰向けに淵に落ちた。
久しぶりに沢で泳いでしまった。

泳いで岸に戻り、端の窪みから取りついてみる。
ここも大きな岩が挟まってハングっているが、うまい具合に倒木が引っかかっている。
これを立てかけて足場にしたら、どうにか乗り越えることが出来た。

ほっとしたら急に震えが来た。
だいぶ気温も上がっていたが、さすがに泳ぐには水が冷たい。
日当たりの良い河原で濡れた服を絞り、体温が回復するまで休憩。

酷い目に遭ったが、こういうのもまた楽しい。
高巻きで怖い思いをするよりよっぼどいい。

私は沢を歩く時は、ザックの中に防水の袋をインナーとして使っている。
これで沈しても荷物を濡らさずに済むし、浮力があるので溺れるリスクが減る。
ただ、ウエストベルトを締め忘れると大変な事になる。
昔、入川で沈したときに、浮き上がったザックに頭を押さえられて溺れかけた。

落ち着いたところで遡行開始。
倒木にウスヒラタケが出ていた、もう夏だなあ。 
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その後も快調に釣れるが、イワナばかり。
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どうしたのだろう、ヤマメはみんな流されちゃったのかな?
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3つ目の沢の出合い。
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ヤマメ止めはまだ先だが、実際この先はもうイワナしかいない。

今日の終了点、ヤマメ止めの淵。 
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前回来た時よりさらに埋まってしまった感じ。
昔、この辺りで泊まって仕事をしていた杣人が、博打で独り勝ちした腹いせに、仲間に放り込まれて命を落としたという伝説が残る淵だが、今はもう見る影もない。

ゆっくり昼飯を食べて、鬼のような急坂を登って帰路に着いた。





2024年4月21日 (日)

早春の溪でヤマメと遊ぶ

今年の初釣行に行って来た。

釣り場に行く前に釣り券を購入。
今年から遊漁料が値上がりして、渓流の年券は9000円になっていた。
日釣り券は2500円、現場売りに至っては5000円というふざけた価格設定である。

秩父漁協は燃料代などの経費の高騰と説明していたが、この値上げははっきり言って愚策である。
値段が高くなれば券を買わずに釣りをする人が増えるだけだ。
その対策で現場売りを高くしたのだろうが、2500円をケチる人がいきなり釣り場で5000円払え、と言われて素直に払うとは思えない。
去年までの3000円だって文句言う人がいたのに、トラブルになる事間違いなしである。
監視員もたかが数千円の手数料のために、そんな面倒な事をしたくないはずだ。

私が行く沢などは漁協の放流がされてないし、監視員なんか20年近く会ったことが無い。
正直買うかどうか少し迷ったが、私は基本的に「悪法と言えども法なり」というスタンスである。
遊びに行くのにコソコソするのは嫌だ、釣りくらい大手を振って楽しみたいと思う。


朝から少々嫌な気分になってしまったが、気を取り直して釣り場へ。
今回はヤマメの沢に入る。
30分ほどの歩きで入渓点へ。

沢装備に履き替えて釣り開始。
芽吹き始めた山にミソサザイの囀りが響く。
今年もやっとこの季節がやってきた。
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久しぶりの竿の感触を確かめながら沢を歩くと、最初のトロ場で5センチくらいのチビヤマメがワラワラと散ってゆく。
今年は魚影が濃くなったかも?

今年最初の1匹は5寸くらいのチビ。とりあえずボウズは回避。
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その後も反応は良く、6~7寸が飽きない程度に釣れる。
これは結構良い型。
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奥の白泡の下から毛鉤を追ってきて、咥えて反転するまでしっかり見えた。
こういう一匹は価値が違う。
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このポイントでここでは珍しいイワナが出た。
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岩の上から竿を出していたので、下に降りて取り込もうとモタモタしていたらバレてしまった。
まだ足が沢に慣れていなくて、動作がぎこちない。
 
今日は型は出ないけど、数はそこそこ釣れた。
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これが一番大きかったかな?それでも7寸ちょっと。
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最後は流れが細くなって、チビばかりになる。
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脱溪点まで沢筋の花を愛でながら歩く。

 
チャルメルソウ
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ニッコウネコノメかな?
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ヒトリシズカ
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キブシ
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春の沢歩きを満喫した一日だった。

2023年8月 1日 (火)

槙ノ沢 古い記憶を追う沢旅

滝川支流の槙ノ沢に行って来た。
今回は釣りというより沢歩きが目的。
20年くらい前に見たローソク岩という奇岩を見に行こうと思ったのだ。

ルート図

前夜に出会いの丘に到着して仮眠をとり、明るくなった5時ころにゆっくり起き出すと、昨晩酒盛りをしていた2人組が出発の準備をしていた。
自転車を用意しているところを見ると釣り人に間違いない。

今回は先行者がいても行き先を変えるつもりは無かったが、一応確認しておこうと声をかけたら、なんと保存会のTさんであった。
聞くと同じ槙ノ沢に入ると言う。
同行の友人は腰が痛くて行けなくなったそうで、せっかくだからご一緒しましょうという事になった。

自転車で林道を進み、登山道へ入る。
若くて体力もあるTさんは歩くのが早い。泊り装備の私は付いて行くのがやっとである。
火打石で休憩した時には汗びっしょりになってしまった。

川へ降りる踏み跡は、降り口で新しいピンクテープに騙されて変な尾根を下りそうになった。
間違って下ると末端で往生するはずである。

川に降りたところで荷物を下ろし、軽装になって遡行開始。
予想通り水が少ない。
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最初は荒れた河原が続くので飛ばし気味に釣って、雰囲気が良くなってから本格的に釣り始める。
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快調に釣るTさん。フライなのだが大場所で粘ったりしないので良いペースで釣りあがる。
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私も何匹か綺麗なイワナをゲット。
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大樋の滝。
あの倒木大水で流されないかな、と思っているのだが、台風19号の大雨でも残ったので、もう自然に朽ちるのを待つしかなさそう。
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この滝の巻道は取り付きの斜面が崩落しており、下流側からいやらしいトラバースを強いられた。
 
逆くの字の滝。
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川沿いは花盛り。
ホトトギスの花を久しぶりに見た。
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イワタバコ
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タマアジサイ
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良いペースで八百谷出合へ。
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せっかくなので、かつて釣橋小屋へ続いていたという道を覗いてみたが。。
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かろうじて道跡は確認できたが、すぐ先で不明瞭になっていた。私レベルが辿れる道ではなさそう。
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化け物滝で日帰りのTさんと別れ、ここからは一人で先へ進む。上も荒れた河原。
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ここでも斜面が崩落していた。
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日当たりの良い谷は明るくていいのだが、暑い。
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荒れた河原をひたすら歩き。
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振り返ってローソク岩(ミョウキ岩)。これで今回の目的は達成。
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まだ時間があるので、魚止めを確認しておこうとさらに進むが、この1匹を最後に反応が無くなった。
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この1370m圏の二股(萩止ノ沢出合?)が魚止めと思われる。
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実は、前回来た時に、この辺りの左岸に少し高くなった平地があり、古い鍋など人の生活の痕跡を見た記憶があるのだ。
ただ、その時同行した友人はそんなものは無かったと言うし、普通に考えれば増水で洗われそうな場所に小屋など建てるはずがない。
もともと記憶力には自信が無いので、翌日に遡行した八百谷の造林小屋跡の記憶と混同していたのかも知れない。

その事の確認も今回の目的であったのだが、これだけ崩落で荒れてしまっていてはどうにもならなかった。
件の平地の前にちょっとしたプールがあって、尺上のイワナを釣ったのだが、跡形もなくなっていた。
 
さらに少し遡行してみたが、荒れて水も少なく魚が居そうな感じがしない。
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ほとんど伏流。もしかしてこの上で水が復活してイワナがいるかもしれないが、釣りの対象にはならないかな。
ここで引き返す。
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帰路でみたローソク岩。自然の造形って素晴らしい。
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帰りの下降がとにかくキツかった。さほど悪い所はないのだけど、炎天下のゴーロ歩きが堪えた。

2時間以上かかってなんとかテン場に戻る。
もう疲労困憊である。

しばらく休んでからタープを張り
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焚火はどうしようか迷ったのだが、河原に乾いた流木が大量に打ち上げられており、これを利用しない手は無いと小さな火を起こした。 
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沢で冷やしておいた酒を飲みながら、久しぶりにビリー缶で飯炊き。
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焚火を見ながら酒を飲む。これ以上の幸福が世の中に存在するだろうか。

満足感に包まれながら飲んでいたら、異様に酒が回ってしまい、早々に寝てしまった。


翌日は釣橋小屋まで行って、本流を釣りあがる予定でいたのだけど、昨日の遡行で予想以上に消耗してしまってそんな気になれなかった。
朝、テン場の前でちょっとだけ竿を振ってイワナの顔を見て、そのまま踏み跡を登って帰路についた。

20年前は翌日に八百谷を遡行したのだけど、もうそんな体力も気力も無くなってしまった。

 

2022年5月30日 (月)

新緑のイワナの渓へ

今シーズン初めてのイワナ釣りに行ってきた。

4時半に車止めを出発し、2時間少々の山道歩き。

川への下降点に立つ道標が新しくなっていたが、早くも傷だらけでボロボロ。。
これクマの仕業だな。なんでこんな事をするのだろう。
オレの縄張りに勝手にこんなもの立てやがって!と怒ったのだろうか?

剥がされた標識の跡に黒い毛、まだ獣臭が残って生々しい。
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川へ下る踏み跡はずいぶん乱れて分かりにくくなってしまった。
適当に下るのは勝手だが、いい加減なマーキングを残すのは止めてほしい。

おかげで途中ちょっと迷ったが、無事に川に降り立つ。 
この河原は一時期、大量の土砂に埋もれてしまったのだが、台風19号の大雨で流されたようで復活していた。
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逆に対岸から入る沢の出合は、無残に埋まってしまった。 
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靴を履き替え、釣りの準備を済ませて遡行開始。

すぐ先のこのポイント。
手前右寄りの丸い石の先で出たのだが、ピックアップとほぼ同時だったのでアワセが効かず、一瞬手ごたえを感じただけでバレてしまった。
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掛けそこなったが、この辺から出てくれると今日は期待が持てる。

最初の高巻き。落石で2段目の滝が見えなくなってしまった。
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ヤマツツジが満開。今年は当たり年のようで、あちこちで見事に花を付けていた。
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当初の期待に反して、イワナの機嫌は今一つ。
そこここで走るのだが、毛鉤には出てくれない。

この小さなポイント。流心脇のタルミでやっと出た。
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6寸ちょっとのチビが今年の初イワナ。ボウズを食らわなくて良かった。
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イワナは釣れないが、眩しい新緑の渓を歩くのは気持ちがいい。
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遠くでハルゼミが鳴き始めて、一番いい季節が来たことを知らせてくれる。
今、この瞬間に、この沢を歩いているという幸福。
幸せとは何か?と聞かれたら、迷わず初夏の沢歩きと答えるだろう。

正直、釣りはどうでも良くなりそうだったが、曲がりなりにも竿を出しているのに、魚が釣れないのは悔しい。
尺とは言わないが、せめて8寸くらいのイワナには会って、さらに幸福度を高めたい。
 
日が高く昇っても、まだ水温が低いのか、瀬では反応が無い。
定位している魚も、底に張り付いていて、毛鉤には全く反応してくれない。
飛んでいる虫がユスリカや小さなカゲロウばかりなので、イワナも水面に興味が無いのだろう。

普段はポンポンと叩いて釣りあがるのだけど、上を見ていない魚を引き出すために、この日は結構粘った。
落ち込みの巻き返しとか、岩の脇のタルミを狙って丁寧に毛鉤を置いて行く。

その甲斐あってか、なんとか8寸クラスが出てくれた。
この沢のイワナは朱点が美しい。
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その後、同クラスをもう一匹釣ったが、かなり時間をかけて釣りあがったので、途中でタイムオーバー。

最後のポイント、白泡の脇に毛鉤を打つと、派手な飛沫を上げて良型が飛び出してきた。
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久しぶりに竿を絞り込む引きを堪能して、姿を見せてくれたのは今日最大の9寸。
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これでもう満足。この日はここで納竿とした。

帰路で見つけたキブシの実。 
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ついこの間、黄色い花を見たと思っていたら、あっという間に季節が進んでいた。

2019年8月 6日 (火)

八百谷からミョウキ尾根

 8月3日~4日、一泊で奥秩父の沢を歩いてきた。
滝川支流の槇ノ沢から八百谷を遡行し、ミョウキ尾根で西仙波に登った。下山は曲沢を下降し、滝川右岸道で高平に戻る周回ルート

ルート図
 
朝6時過ぎに出会いの丘に着くと、どこかで見た車が停めてあった。
荒川水系渓流保存会のAさんの車だ、すでに出発した後のよう。
きっとどこかの沢に入っているのだろう。

準備をして出発。
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林道を歩き、 黒岩尾根登山道に入る。
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少し行った分岐から釣橋小屋への道に入る。
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この道、所々倒木や崩落があり、年々歩きにくくなって行く。
一般登山道ではないため、整備する人もいないので、このまま荒れるに任せていくのだろう。
 
火打ち石で休憩。
湿度の高い森の中は風も通らず蒸し暑い、汗びっしょり。
 
川への下降点で踏み跡を失って少し迷った。
何度となく歩いている道だが、スズタケが枯れた後、ショートカットルートが出来たりして、わかりにくくなった。
 
急坂を下り、無事に滝川本流へ降り立つ。
心配していた水量も遡行に支障が出るほどではなく一安心。
沢装備に履き替えて本流を下る。
 
すぐに槇ノ沢出合い。
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下降路にスリップ痕があったので予想はしていたが、河原には真新しい足跡がつけられていた。
おそらく釣り人だろう、面倒な事にならなければ良いが。

ゆっくりと遡行していったつもりがすぐに追いついてしまう。
 
年配の2人組の釣り人。
挨拶して話を聞くと、日帰りで大樋の滝まで釣るそうだ。
「八百谷まで行きてえけど、あそこまでいったんじゃ帰ってくんのが容易じゃねえかんな。」
 
沢登りと知ると、快く先行を許してくれた。
「出来るだけ荒らさないように歩きますので。」と言うと「気にする事ねえから好きな所歩いて行きない。」と言ってくれた。
良い人たちで良かった。

一応竿も持ってきたのだけど、今回はもともと真面目に釣りをする気はなくて、余裕があれば上の方でちょっとだけ竿を出してイワナの顔を見れればくらいに考えていた。

しばらくは広い河原が続くので、出来るだけ川から離れて歩いてゆく。
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ゴーロの河原が尽きると川幅が狭まって、川が右に直角に折れる。
ゴルジュの奥に大樋の滝。
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水量が多くて迫力がある、やっぱりあの倒木は邪魔だなあ。
 
右から大巻き。
その先の狭間もまとめて巻く。
 
少し渓相が落ち着いてきたところで、竿を出してみた。
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すぐに7寸が出て、その先のトロ場でも反応があった。
アワセが早すぎて掛け損なったが、ちょっと間をおいて毛鉤を流すと、今度はずっしりとした手ごたえ。
根がかりかな?と思ったらゆっくりと底へ潜って行く。デカイ!
岩の下に入ろうとするのを堪えて、引っ張り出してはまた潜られというやり取りの後、ようやく水面に顔を出したのは余裕の尺上。
 
足元の瀬に寄せて、写真を撮ろうとラインに手をかけた途端にプツンとハリスが切れた。。
ずっと交換していなかったので、結び目が出来て強度が落ちていたのだろう。
逃がしてしまったのも残念だが、それ以上に鉤付きのイワナを作ってしまったのが心苦しい。
 
新しいハリスに替えて再開。
ほぼポイント毎に出て、8寸。
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9寸と立て続けに釣れた。
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ここで釣りは終了、もう十分に満足した。
釣れるのが分かっている釣りは面白くない。
もしかしたらもう一回尺がでるかも知れないが、ここまで来て尺上釣ってもなあ・・という気になった。
自分でも驚くほど、イワナ釣りに関しては淡泊になってしまった。
 
竿を畳んで遡行再開。
 
八百谷出合。
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本流に掛かる木橋はだいぶ朽ちていたが、まだ辛うじて残っていた。
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八百谷に入るとすぐに滝。
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右から巻くが降り口が分からず迷う。
滝上の連瀑帯の先にもうひとつ滝が見えるが、地形的にまとめて巻くのは無理。
なので一度沢床に降りなければならないのだが、どこから降りたものやら?
 
支点に手ごろな木もあるし、懸垂で降りちゃおうか?とザックを降ろしかけてふと不安になる。
懸垂下降して、万一この先の滝が登れなかったりしたら進退窮まってしまう。
過去に一度遡行しているので絶対にルートはあるはずだが、状況が変わっていないとも限らない。
 
再度、ルートを探してみると、一段下にトラロープが渡してあった。
少し戻ってここをヘツる。
しかし、このロープかなり古い、中間支点の木が腐り落ちてぶら下がっている。。
出来るだけ体重をかけないよう、慎重に降りた。

ここを降りているときに、次の滝にもロープが下がっているのが見えた。
これも古いが、ここはさほど頼らずに登ることができた。
 
その先でまた登れない滝。
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どちらから巻こうか?滝上で沢が右に曲がっているので、定石は右巻きだが、そちらはガレたルンゼで沢側は岩壁。かなり上まで追い上げられそう。
左は草付きの泥壁で、なんとなく登った痕跡があるのでこちらを選択。
できるだけ低く巻こうと思ったが登り過ぎ、下のバンドから二段目の上に降りた。
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上段は左側の水流を登る。水流は強いがグリップは良い。平水ならなんてことないと思われる。
 
その上は登れる小滝やナメで結構気持ちよく遡行。
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尾根まで届く山抜け。
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右岸に造林小屋跡の台地が見えてきた。
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ここで泊まる予定だったが、まだ2時すぎ、もう少し上まで行っておけば明日が楽だ。
と、歩き出したところで雨が降り出した。
 
一度小屋跡まで戻って雨宿り。
 
一旦上がったと思ったらまた降り出した、今度は雷を伴っての土砂降り。
1時間ほどでおさまったが、もうこれ以上遡行する気になれなかった。
今日はここで泊まることにする。
古い一斗缶とか一升瓶の破片が散乱しているが、広くてそこそこ快適なテン場である。
 
タープを張って準備完了。
今回の荷物の中で一番重くて嵩張る8㎜30mが初めて役に立った。
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濡れた木を集めて火を起こす気にもなれず、焚き火は断念。
服を乾かすことが出来ないが仕方ない。
 
着替えてビールを飲みながら、対岸の尾根を眺めていたら、急にあそこを登ってみたくなった。
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八百谷と槇ノ沢を分けるミョウキ尾根の支尾根で、これを登れば西仙波に上がれるはず。
見た感じ末端はさほど急ではないし、地形図を見ても難所は無さそう。

ただ、登った記録を見たことが無いので、上まで登れる確証は無い。
まあ、今夜一晩ゆっくり考えてみよう。
 
夕食は米を炊いてレトルトカレー。
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子供が小さいころに食べていた妖怪ウォッチカレーの残り物。
賞味期限は2年前に切れているが、「こんな物腐るわけないから山で消費して来い」と家内に言われて持ってきた。
 
辛くない以外は普通に美味しかった。ま、山で食べれば大概のものは美味しく感じるのだけど。
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夕食を済ませて酒を飲んでいたら急速に眠くなって、6時過ぎにシュラフに入ったらそのまま眠ってしまった。
 
夜中にトイレに起きると、木々の合間から満点の星空が見えた。
明日は良い天気になりそうだ。
どこかで鵺が鳴いているのを聞きながら再び眠りについた。
 
 
二日目。
 
目が覚めるとすっかり明るくなっていた、時計を見ると5時半。
夜中に一度目が覚めたと言え、たっぷり10時間も寝てしまった。

 
インスタントラーメンに昨日の残り飯をぶっこんだ炭水化物だけの朝食を摂り、タープを撤収して出発。
 
やはり、今日は尾根を登ることにした。
沢を詰めた方が時間的にも体力的にも楽だと思われたが、この沢の源頭はかなり荒れていて、最後はザレの詰め上がりになると聞いていた。
ならば回り道になっても尾根から登りたかった。
ミョウキ尾根なんて沢がらみじゃなければまず登れないので、いい機会だと思ったのである。
 
沢を渡って対岸の斜面に取りつくと、上手い具合に踏み跡が残っており、これを使って簡単に取りつくことができた。
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過去の作業道と思われるが、意外としっかりしており、尾根筋にも道が付けられていた。
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よしよし、これは思ったより楽ができそうだ。と揚々と登って行く。
 
途中から枯れスズタケの中の道になる。
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ここは大洞川の栂ノ沢出会いから仙波尾根に登る支尾根に雰囲気がよく似ていた。
 
下の方は明確な道があって楽だったが、1656の小ピークを過ぎると急に藪っぽくなってきた。
アセビの藪を漕いだり避けたりしながら進む。

1700M圏で北からの支尾根を合わせた辺りで、藪の向こうに開けた場所があった。
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小径を分け入ってみるとちょっとした岩場になっており、素晴らしい展望が広がっていた。
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樵路巡遊というサイトに記述のあった、ミョウキ尾根の岩場というのがここのようだ。
自分レベルの登山者が辿りつける所ではないと思っていたので、感慨深かった。
 
展望を堪能した後、再び藪尾根を登って行く。
ここから先はアセビに加えてシャクナゲまで加勢してきて、とてもじゃないが太刀打ちできない藪になってきた。
尾根筋を左に見ながら、藪を避けて登って行く。
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この辺りから足がキツくなってきた。
やはり沢を詰めた方が良かった、と後悔しながら歩く。

尾根の右側がミヤコザサの気持ちのいい斜面になり、ここに鹿道と思われる踏み跡が通っていた。
だが、これを辿ると尾根を外れてしまうので、所々で交錯する鹿道を乗り換えながら尾根筋を追って登って行く。
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稜線が近づいて、藪の向こうに西仙波のピークが確認できたが、藪を突っ切って直登は出来そうもないので、南方向に斜面をトラバース気味に進む。
 
仙波のタルと思われる鞍部が見えてくると、いつの間にか下に良い道が現れた。どうやらこれが槇ノ沢林道の跡らしい。
稜線に近づくにつれ道はさらにしっかりしてきて、ほぼ登山道と変わらなくなった。
おそらく間違って入り込んでしまう登山者がいるのだろう。
 
合流点は入らないよう通せんぼされていた。
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無事に登山道に乗れて一安心、ここから和名倉山方面に進む。

西仙波を過ぎると、大展望の稜線。じつに爽快な道が続く。やはりこのルートをとって正解だった。
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東仙波、山名版が無くなっていた。
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ここで一瞬電波が入ったので家内にLINEを入れる。
 
ちょっと予定より遅れ気味なので、先を急ぎたいところだが、足がキツくてペースが上がらない。
 
和名倉山に近づくにつれ、広い尾根上の道は倒木に塞がれて所々分かりにくくなっていた。
私も何度か道を失いかけた。
 
道の脇でのんびり休憩中のキツネを発見。
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こちらに気付くと飛び上がるように逃げていった。
 
こんなに遠かったっけ?と思いながら川又分岐へ。
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川又道は以前歩いた時より荒れていて、いずれ消えてしまいそうな感じだった。
 
かなり消耗して曲沢下降点。
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ここで軽く昼食をとり、沢を下って行く。
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脚に力が入らないので、一歩一歩慎重に下って行くが、何度も滑って尻もちをついた。
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この下りはもう全然余裕がなくなっていた。
これから右岸道を歩いて、さらに国道までの急坂を登って、またさらに出会いの丘までの車道歩きが待っている事を考えると気が遠くなりそうだ。
 
ヘロヘロになって右岸道渡渉点へ。
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沢タビからトレランシューズに履き替える、荷物がさらに重くなってキツさが増す。
 
この滝川右岸道も崩れたり埋まったりで、所々危険な場所があった。
この辺りは東大演習林だが、ここまで管理しきれないのだろう。
 
途中、何を血迷ったか沢小屋沢へ下る道へ引き込まれて、余計な体力を消費してしまった。
疲れてくると判断力まで低下してしまう。 

滝川にかかる吊橋に着いた時には心底ほっとした。
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ここから国道までの登りが鬼キツかった。
いつもなら一気に登る道を、10回以上足を止めて休み休み登った。
国道に出たら出会いの丘までタクシー呼んじゃおうかと真面目に考えたくらい。
 
残り体力数ポイントでどうにか高平へ。  
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すでにザックを背負って歩く体力は残っていない。帰りに回収しようと、道路わきの広場にデポして歩き出す。
思考が停止していて、危うく車のキーを置いてきてしまうところだった。
 
誰か親切な人が、出会いの丘まで乗せて行ってくれないかな?などと妄想しながら国道を歩き、当然そんな奇跡に恵まれる事も無く、30分歩いて出会いの丘に帰り着いた。
 
汗でドロドロの服を着替えていたら、ちょうど保存会のAさんとSさんが車に戻ってきた。
話を聞くと、ブドウ沢に入っていたらしい。
こんな増水している日に、よくもまああんな恐ろしい所へ入ったものである。
あの人たちは絶対どこか壊れている。

 

もう家まで運転するのも面倒だったが、帰って汗を流してビールを飲みたい、という一心でなんとか運転して帰宅した。
翌日が仕事じゃなければ、大滝の道の駅で温泉に入って泊まっていたと思う。

 


2018年11月 5日 (月)

清掃山行2018

 11月4日、この時期恒例の清掃山行に行ってきた。

今年は浦山川支流の細久保谷の中流部を遡行してゴミを拾った。
参加者は安谷さん、なんさん、私の3人。

ルート図


9時20分ゲートを越えてスタート、最初は林道を歩く。

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仙元谷を分けた先の堰堤の上から入渓、しばらくは平坦な渓相。
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ゴミはほとんど見当たらず。

次の堰堤を越えると落差が出て渓相が良くなる。
この辺がこの渓の核心部。
久しぶりの沢歩きで、ようやく感覚が戻ってきた。
 
横向きの美瀑があった。
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登れないので高巻き。

斜面につけられた目印を追って右から巻く、かなり上まで追い上げられた。
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下降点にトラロープがあったのでこれに掴まって降りる。

滝を越えて少し歩いたところで小休止。
倒木にムキタケが出ていた。
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休憩後、再び遡行開始。
ゴミも少なくて気持ちよく遡行する。
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そこここで瀬尻から魚が走るが、かなり抜かれているようで小型ばかり。
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渓畔林も色づき始めており、グラデーションが美しい。
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気持よく遡行していたらまた堰堤、左から巻く。
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トラロープにつかまって斜面をヘツる、ちょっといやらしい。
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ここは堰堤さえなければいい渓なんだけど。。

この辺までくるとほとんどゴミも無くなった。
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チガオの沢出合。
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巨岩があったり、登れる滝があったりで、思ったより遡りごたえがある。
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左手の斜面に林道が近づいてきた、そろそろ終了点が近い。
 
林道が左岸に渡る橋に到着。今日はここで遡行終了。
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あとは林道を歩いて下山。
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落葉の絨毯。
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色づいた大ネド尾根。
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この時期に歩いたら気持ちいいだろうなあ、熊が怖いけど。。

きょうの収穫。
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釣り人のゴミはほとんど無くて、山仕事の廃棄物がいくつかあっただけ。
以前は必ず落ちていたブドウ虫の容器やりんたろうの箱なんかはめっきり見かけなくなった。
最近の釣り人は本当にゴミを捨てなくなったのだなあ。
 
 
心配された天気も持ってくれて、いい秋の一日になった。

参加された安谷さん、なんさん、どうもありがとうございました。







 

2018年7月16日 (月)

鉄砲沢から新山沢

 7月14日大血川の沢を歩いてきた。

 
西谷の支流鉄砲沢(桶木沢)を詰めて東谷支流の新山沢を下降するルート。
 
ルート図
  
早々に梅雨が明けて連日の猛暑。
この暑さの中、低山の尾根歩きは熱中症が怖い。
やはり夏は沢だろう。
 
本当は釣りがてら奥秩父の沢を歩こうと思っていたのだけど、好天の連休はどこの沢も人が入っているはず。先行者を気にしながら窮屈な沢歩きはしたくない。
ならば、釣り人の入らないマイナーな沢を歩こうと考えたのである。

朝7時に林道の駐車スペースを出発。
 
車道を少し歩いてから西谷に降りる。
取水施設の橋を渡ると対岸に滝が落ちているのが見える。
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一見、沢に見えるが、これは東谷で取水した水の放水口。
 
そこから少し上流に歩いた所が鉄砲沢の出合い。
ここから沢を遡行する。
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すぐにでも流れに浸かりたくなるが、左岸の作業道を辿ってもう少し上流へ。
 
支沢に拓かれたワサビ田跡がある。
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ここから沢に降りる。
冷たい水が気持ちいい。
 
最初の小滝は右から越える。
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この辺は植栽地、昭和20年に広葉樹を植えるというのは実験的な意味合いがあったのだろうか。
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日が差してきた。
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まだ気温も低くて快適。
 
ゴルジュの入り口。
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倒木を使って登れそうだが、右から巻く。
 
次の滝。
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釜をヘツって突っ張りで登れるようだが、ここも左から巻く。
 
ゴルジュ出口のスダレ状滝。
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ここは巻くと大変そうなので右から登る。
簡単だが、上が滑りやすいナメになっていて緊張した。
 
その先は平坦な渓相。
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上流からヒンヤリとした風が流れてきて涼しい。
休憩していると汗が冷えて寒さを感じるほど。やっぱり夏は沢に限る。
 
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滝も簡単に越せるので超安楽。
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気持ちよく遡行していると、かすかに生臭い匂いが流れてきたような?
念のためホイッスルを・・・・
 
あぁっ、いけね~!ホイッスル忘れた!
・・というか、先日大ドッケに行った時に紛失してそのまま忘れてた。。

仕方なく手を叩きながら遡行する。
なんかあまり効果なさそう。。
 
少し行ったところで上から落石の音。
慌てて木の陰に身を隠すと、10mくらい先をガラガラと石が飛んで行った。
大きいものは漬物石くらいあった、あんなのが直撃したらタダでは済まなかった。
 
ひょっとして、さっきの匂いはカモシカだったのだろうか?過去にも何度か石を落とされた事があるが、沢ではクマより性質が悪いかもしれない。

炭焼き小屋の跡。
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徐々に水が細くなってゆく。 
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日が高くなるとハルゼミが鳴きだした、そろそろ終わりが近いようで今一つ元気がない。
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二股を右へ。
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この辺で水が枯れる。
 
次の二股、水は無いが沢型は右。
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また分岐、左の沢床が低いが地形図を見てこれも右。
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すぐに枯れ滝。
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楽勝で登れる、と思ったら最後の1mでホールドがグラついた。
ビビってしまい、戻って右から巻く。
 
その上で一瞬水が復活、この先取れるかわからなかったので一応汲んでいく。
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この日はあちこちでウスヒラタケが腐っており、これは唯一マトモな個体。
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量が少ないので採らなかった。
 
こういう感じのガレた登りが延々と続く。
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退屈な上に、水が枯れてからは暑さがこたえる。
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直接日が当たらない分多少はマシだが、風も通らず湿度も高くてツラい。
 
本筋は右だが、ガレを歩くのに疲れたので左の窪から尾根に逃げる。
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ひと登りで長沢山の北東尾根に乗った。
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予定通り、1590を過ぎて最後の登りにかかる手前の平坦地に乗ることができたようだ。
我ながら上出来。(笑)
 
時間は11時、長沢背稜に登るつもりはないのでここで早めの昼食。
 
・・しかし、ここはハエが凄い!
羽音がうるさく感じるくらいの数がいる。顔の前で手を振ると簡単に2~3匹のハエが捕まる。
去年和名倉山に行った時もすごかったがここも負けていない。
どうやらこの時期の秩父の尾根はハエが大発生するらしい。

あわただしくおにぎりを食べて、タバコに火をつけたら3分の1ほどに減った。
タバコの毒性って相当なものなんだろうな、と改めて思う。
 
休憩の後、尾根の反対側を下ってゆく。
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いい具合に斜面を斜めに下って行く踏み跡があった。
これを拾って電光形に斜面を降りてゆく。
 
広い斜面を下ってゆくと
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緩い窪状に導かれ
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そのまま沢になった。
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こちらもガレ気味だが、すぐにしっかりと水が流れ出した。
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水が出てくると急に涼しくなる。
 
傾斜も緩くて快適に下れるが、浮石が多いので足を捻らないよう慎重に下った。
 
支流を合わせると水量が増えて
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最初の滝。
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特に危険なところも無く、簡単に下って本流との出合いに到着。
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この下からは演習林の作業道が拾えるのでこれを辿る。
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堰堤で沢を渡るとすぐに林道に出て
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あとは林道を下ってゆくだけ。
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この道で今年初めてヒグラシの声を聴いた。
 
林道入り口のゲートに「立ち入り禁止」の札がこれでもか、と貼られていた。
これは通行禁止になった酉谷山への登山道に入らないように、との事だと聞いたが、釣りなどで通る際も注意した方が良いかもしれない。あくまでも自己責任で。
 
14時すぎに車に帰着。
思ったより簡単なルートで、沢登りとしてはちょっと物足りないかな。
保険で持っていったザイルもハーネスも全く出番がなかった。

それでも、この時期に低山で涼をとれるのは沢ならでは。
この夏は安楽な沢をいくつか歩いてみようと思う。
 
 


 

2018年7月 3日 (火)

栗原川 ツバメ沢からケヤキ沢へ

 フライング気味に梅雨明け宣言が出された6月30日~7月1日、一泊で足尾の沢を歩いてきた。

栗原川を遡行し、支流のツバメ沢を詰めてケヤキ沢を下降する周回コース。

ルート図

今回はなんさん、Sさんと3人での山行、Sさんとは以前井戸沢でご一緒させていただいた事がある。お二人ともベテランの沢屋で、私は2人に連れて行ってもらう形。
 
金曜の夜に東京を立ち、白沢の道の駅で入山祝いをしてから仮眠して早朝に出発。
栗原川林道を走って入渓点へ。

ちょうど下降点にある駐車スペースから沢への踏み跡を下って行く。
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この道、尾根伝いに下ってしまうと末端が崖になっているらしい。なんさんは昨年来た時に3ピッチの懸垂を強いられたそうである。
今回は尾根の左側の広い斜面につけられた踏み跡を辿って問題なく沢へ降り立った。

急斜面を下った先は意外に広い河原。
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毛鉤を振ったら気持ちよさそうなゴーロと、白い岩盤のきれいなナメが続いていた。
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明るいナメ床の沢を気持ちよく遡って行く。
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天気も良くて実に気持が良い。

いつも秩父の井戸の底のような沢ばかり歩いているので、こんなに明るく開放的な沢は異次元の世界である。

美しいナメを堪能しながら歩いてゆくと右岸の台地に石垣が見えた。源公という集落の跡だそうだ。
 
源公の滝。
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遡るにつれ、川幅が狭くなって落差が出てくる。
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不動沢出会いが近くなるといよいよゴルジュ帯の入り口。
ここは手前から大高巻きになるのだが、せっかくなので大膳の滝を見にゆく。
 
大膳の滝。
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胸まで浸かって左から取りつけば登れるそうだが、その先にも難しい滝があるらしい。
我々はゴルジュ突破が目的ではないので、大人しく戻って右岸の斜面に取りつく。
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結構な急斜面をヒイコラ登ってゆくと古い道が現れて集落跡へ導かれた。
ここが円覚集落の跡。かなり大きな集落であった事がしのばれる。
 
そこから尾根を少し登ると右手に大きな滝が見えてくる。
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これが円覚の滝。地形図では不動滝と記されているが円覚滝が正しいようだ。
 
滝の上が円覚停車場跡の平地。
ここに索道の基地があったとの事、なんでも水車の動力で索道を動かしていたのだとか。
作られたのは明治の頃だそうだが、よくそんな技術があったものだと思う。
昔の人はすごい。

滝上、ここに水車があったのだろうか。
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この不動沢から尾根越えで本流を目指す。
対岸に古いロープが下がっているが、ここから上ると1105のピークに登らなければならないので、不動沢を少し遡行し、1105峰の南東のコルを乗り越して本流に降りる事にする。
 
その前に、ここまで良いペースで来れているので、不動沢を釣り上がってみた。
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そこそこ反応は良いが、釣れてくるのは7寸平均で少々物足りない。
ここは釣り人が多いのでかなり抜かれているのだろう。
 
適当なところで切り上げて本流へ移動。
 
左岸の斜面を上がって尾根に乗ると、明確な道が通っていた。
道は栗原川本流の右岸沿いに斜面をトラバースしており、これを少し辿った先の広い尾根を下って沢床に降りる。
降りたところが滝の上のテン場適地。

早速ビールを冷やしてタープを設営。
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その後、なんさんと2人で、夕食用のイワナを釣りに行く。
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すぐに7寸クラスが続けて釣れた。
これは楽勝だと余裕ぶっこいてたら、その後はバラしたり掛け損なったりで、結局なんさんが釣った良型1匹だけしかキープできなかった。。

貴重な1匹はSさんが刺身にしてくれた。
 
夜は焚き火を起こして、飯を食い酒を飲む。
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火を囲んで酒を飲むという至福の時間、やっぱり沢は楽しい。
 
日が暮れた頃から雷鳴が聞こえてきて、一雨来るかな?と思ったら猛烈な雷雨に見舞われた。
タープに避難して飲み続けたが、外が白く見えるほどの雨で、帰って聞いたらこの辺りは時間100㎜級の豪雨だったらしい。
 
明らかに大きくなった沢音を聞きながらシュラフに入るとすぐに眠ってしまった。
 
翌朝は5時起床。昨夜の雨もすっかり上がって青空が広がっている。
 
早起きしてSさんが焚いてくれたご飯を食べて7時に出発。

すぐに右から入るツバメ沢を遡行する。
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広い二股を右へ、特に難所も無く順調に遡る。
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上部はV字状の狭い谷。
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地形図を見て現在地を確認しながら歩くが、沢は尾根を歩くのとは勝手が違って難しい。
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稜線が見えてきた辺りから左手の尾根状に逃げ、最後は低い笹の繁る斜面を登ってあっけなく林道に出た。
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ちょうど9時。
予定通り林道ツバメ沢支線の入り口付近に出ることができた、いつもながら沢屋さんの読図力はすごい。
 
小休止の後、林道を少し下ってケヤキ沢へ。
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広い窪を下ってゆくと沢型が現れ
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水が出てきて沢になる。
 
この沢も所々でナメがある、下りは滑りやすいので注意しながら歩く。
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水量が増えてきた沢を下り、視界が開けたところが大滝。
 
ここは一度右に巻いてから懸垂で右岸のガレたルンゼに降りた。
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(なんさん撮影)

30mの大滝、下部がナメになっていてなかなかの美瀑である。
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さらに下ってゆくと水が消える、ゴルジュやナメ床も涸れていて、さっきまでの水はどこを伏流しているのだろう?と不思議に思う。
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しばらく涸れ沢を下ると突然といった感じで水音が聞こえてきて、一気に流れが復活する。
ここから全水量が流れ出ていた。
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ここからは特に悪い所も無く、最後はきれいなナメを下って、
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本流に出合う。
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昨日の下降点まで美しいナメを楽しみながら歩いて
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踏み跡を登って駐車地点に帰りついた。
 
まだ14時半、予定より早く下山できたが、帰りは関越の事故渋滞にハマって、家に着いたのは19時を過ぎてしまった。
 
 
夜に雷雨があったが、行動中ずっと好天に恵まれたのは良かった。
関東髄一と言われるきれいなナメを堪能した2日間、実に楽しい沢旅だった。
 
 
連れて行ってくれたなんさん、Sさん、どうもありがとうございました。



 

2018年5月13日 (日)

新緑の源流へ

 5月12日、今年初めての源流釣りに行ってきた。

朝4時半、車止めを出発。
もうこの時間でもヘッデンが必要無いほど夜明けが早くなった。

ヤマツツジは早くも散りかけ。
アオバトの目の回りそうな鳴き声が夜明けの森に響いている。
 
尾根への急登でコルリの囀りを聞いた。
スズタケが枯れてからあまり耳にしなくなったような気がしていたのだけど、ここ数年は毎年この時期に声を聞けている。
 
2時間少々の歩きで入渓点へ到着。
予想通り水が多い、10センチくらい高いだろうか。
遡行に手こずりそう。
 
最初のゴルジュは竿を出さずに遡行する。
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やっぱり沢歩きは面白い。
ツルツルの岩のわずかな弱点を探し、ギリギリのフリクションでヘツリ、登る。
適度な緊張感がこの沢の醍醐味だ。
 
山道では汗をかくほどだったが沢筋はヒンヤリとして少々寒い。
出来るだけ水に入らないように、と飛び石で渡渉しようとして滑った。
見事に半沈、パンツまで濡れて震えあがる。
 
どうせ濡れるのだから最初から水に入ってしまえばいいのに、毎回同じことを繰り返してしまう、どれだけ学習能力が無いのだか。。
ただ、一度濡れてしまえばもう怖いものは無い、ざぶざぶと沢に浸かり、飛沫を浴びながら小滝を登る。
楽しくなってきた、やっぱり沢はこうでなくっちゃ。
 
なんだか釣りをするのが面倒になってきたが、せっかく竿を持ってきたのでイワナの顔を拝んで行かなければ勿体ない。

渓相が落ち着いてきた所から竿を出す。
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水量が多くて毛鉤で狙えるポイントが少ないが釣りにならないほどではない。

しかし、まったく反応が無い。
しばらくはただ竿を振っているだけの遡行が続く。
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いつもはこの滝までで数匹は出ているのだけど。。
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水量が多いと、普段は水線で歩ける所も巻いたりヘツったりしなければならない。
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こうなると釣り竿が邪魔になってくる。
 
釣り始めて1時間くらいたってようやく最初の1匹。
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6寸のおチビちゃんが今年の初イワナだった。
 
こんなポイントで出た。
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いつもは飛ばしてしまう小場所だけど、今日はポイントが少ない。
 
ようやく谷に日が差し込んで、すこし暖かくなってきた。
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水生昆虫が飛び始め、やっと瀬尻から走るイワナを見るようになってきた。
 
2匹目。
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少しサイズアップしたけど7寸。

上流から生暖かい風が流れてくるようになった、気温が上がって来れば魚の活性も上がるはず。
 
このポイントで左のタルミに毛ばりを漂わせると、岩の下からイワナが浮かび上がって反転するのが見えた。
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8寸、ようやくこの沢らしいサイズが釣れた。
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滝に到着。
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奥秩父でも有数の美瀑、この滝を見るためだけでもこの沢を遡行する価値がある。

水量が多いので迫力満点、振動を感じるほどの瀑音と瀑風を浴びていると鳥肌が立ってくる。
 
滝を堪能し、巻きにかかる。
ここ数年、ここまでで満足して納竿することが多く、この上に行くのは久しぶり。
 
巻き道にひっそりとシャクナゲが花を咲かせていた。
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ここから魚の反応が良くなってきた。
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このサイズを数匹追加。
 
最後の悪場、ゴルジュの奥に2つの滝が懸かる。
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以前、友人と中央突破を試みた事があるが、2つ目がどうしても越えられなかった。
 
左岸から大巻き。
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なんかすごく怖いんだけど・・
巻き道薄くなった?
いや、年を取ったせいか。若い頃はこんな所鼻歌交じりで越えていた。
 
ここからは平坦な渓相になる。
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昔はひどく荒れた印象を受けた区間だったけど、現在は落ち着いていい感じ。
 
ここでまた数匹追加。
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今日最大、9寸にはちょっと足りないか。
この沢らしいきれいなイワナ。
 
支流が滝で出合う。
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今日は支流の方が水量が多そう。
 
この上は流れが細くなってポイントも小さくなる、少し釣り上がって納竿した。
 
最終的には十数匹釣れただろうか、型は8寸止まりで今ひとつ。
まあ贅沢は言えないか、条件を考えれば上々の釣果だと思う。
 
帰路は怪しい踏み跡を使って下山。
ミツバツツジが満開だった。
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最後の林道で今年初めてハルゼミの声を聞いた。
一年で一番いい季節がやってきた。

 
 

2017年11月12日 (日)

清掃山行2017

 源流部会の恒例行事、清掃山行に行ってきた。

今年は浦山川支流の仙元谷。
細久保谷出合からグミの滝まで遡行しながら渓のゴミを拾った。
 
参加者は安谷さん、なんさん、私の3人。

ルート図 
 
朝9時に細久保橋のゲートに集合。
朝のうちは曇りの予報だったが、青空が見える。
ただ寒冷前線が通過しているせいか、雲がすごい速さで流れてゆく。
ここは北面の沢なので風裏になるためほぼ無風だが、稜線は北風がすごいだろう。
 
出合からしばらくは小滝が連続して落差がある。久しぶりの沢歩きなので少々緊張する。
岩に張り付いた濡れ落ち葉が曲者で、足の置き場に気を遣う。
 
その先は落ち着いた渓相になる。
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思ったよりゴミは少なくて、気持ちよく沢を遡行する。
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紅葉も良い感じ。
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釣り人が付けたと思われる看板。 
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ここは入渓も遡行も楽なので釣り人が多い。
 
この時期としては気温も高いせいか、瀬尻から走る渓魚の姿も確認できた。
竿を持っていると姿を見せないくせに、魚も警戒心が薄れるのだろうか。
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途中の平坦地で小休止。
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ここは小屋が建っていたような感じ。
こういう場所はゴミが多く捨てられているのだが、全く無し。
 
炭焼き窯の跡。
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ベテラン沢屋のなんさんには物足りなかったようで、あえて難しそうなルートを選んで登っていた。 
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ワサビ田跡。
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その上に潰れたワサビ小屋跡。
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ここから一杯水方面に向かう古い登山道が対岸の斜面を登ってゆく。
 
そのまま沢を行くと、ほどなくグミの滝。
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前に来た時より水量が多くて、なかなかの迫力だった。
 
ワサビ小屋跡まで戻って昼食休憩を取り、登山道で下山した。
 
本日の成果。
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釣り人が多い割にゴミは少なかった。
最近の釣り人はゴミを捨てなくなったようだ。喜ばしい事である。
 
 
ご参加いただいた安谷さん、なんさん、どうもありがとうございました。
 

 


 


 

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