週末、1泊でなんさんと奥秩父の椹谷に行ってきた。
コース図はヤマレコで。
今回の山行は秩父から入って丹波に抜けるというルート。
アプローチに車は使えないので、当初は電車とタクシーでの入山を考えていたのだが、丁度秩父に用事があるというkurooさんがサメ沢のゲートまで車で送ってくれる事になった。
これは本当に有難かった。
朝8時40分、kurooさんに見送られてサメ沢のゲートを出発。
最初はひたすら林道歩き。
歩き始めの30分は重たいザックが肩に食い込んでつらい。
ザックが体に馴染んで、歩くのが苦にならなくなって来ると荒沢橋に到着。
小屋が倒れ掛かっていた。
この小屋裏にバラクチ尾根の取りつきと見られる踏み跡があった。
この尾根もいつか歩いてみようと思う。
さらに30分ほど荒れた林道を歩き、松葉沢から川に降りて、大洞川を遡行する。
朝方の雨も上がり、陽がさしてきた。
新緑のまぶしい渓を気持ちよく遡行する。
ゴルジュの通過も楽しい。
砂地に新しい足跡があった、誰か先行しているようだ。
そのせいか、イワナは全く走らない。
いつの間にか曇ってきて、少し寒くなってきた。
昼を過ぎたあたりで上流から下ってきた釣り人と会う。
キンチヂミの滝まで釣ってきたそうだ。
どこかで見た人だな?と思ったら先週も秩父の渓で会った人だった。
好きだねえ・・って人の事は言えないか。(笑)
ほどなくキンチヂミの滝。
水量が多めなので迫力満点。
大水で埋まってしまった釜も少し回復しているように見えた。
その先のゴルジュを抜けたところから竿を出して遡行。
すぐに9寸クラスが出た。
交代で釣り上がるが、ほとんどポイント毎に反応がある。
テン場の前の淵では尺上が出た。
ピンボケ、せっかくの尺物が・・(笑)
こんな場所で大物が出るという事は、最近はあまり人が入っていないのかもしれない。
滝の巻道も前より薄くなっているような気がした。
3時前にテン場の栂沢出合に到着。
まだ時間は早いが、体が冷えてしまったのでこれ以上釣りをする気にもなれず、テントを張って焚き木集め。
濡れた焚き木に苦労しながら火を起こして、体を温めた。
たき火にあたってしまったらもう行動する気にならない。
早いうちから酒を飲み始めてしまう。(笑)
たき火の横で酒を飲むという至福の時間。
やっぱり沢は楽しい。
途中から霧のような雨が降ったり止んだりとあまり快適なたき火にはならなかったが、とりあえず濡れた服を乾かせたのは良かった。
翌日は5時過ぎに起床、昨日の残り飯で朝食をとり、テントを撤収して7時に出発。
雨は止んだが相変わらず曇り空。
いきなり小ゴルジュ。
椹谷出合。ここから椹谷へ入る。
20年近く前に遡行した時の記憶とずいぶん違っていて、ちょっと戸惑いながら遡行。
こんな高巻あったっけ?
ホラの貝窪とアザミ窪の二股。
ここから竿を出してホラの貝窪を遡る。
魚影は濃いが、水量が減ってポイントが小さくなるので型は小さい。
今日は魚止めの確認が目的なので、大きなポイントだけ狙って竿を出す。
数匹釣った所で滝に着いた。
おそらくこの滝がこの沢の魚止めだと思われる。
ここで竿を仕舞って滝を巻く。
その先からは遡行に専念する。
40mホラの貝大滝。
奥秩父有数の美瀑。
これが見れただけでも来て良かった。
しかし、この滝の巻きで手こずる。
右手の窪を登って最初のルンゼから乗り越せば滝上に降りられそうだったが、偵察に行ったなんさんが「登れそうだけど、ダメだったら降りてこられない」と引き返してきた。
地形図ではこのまま上まで登れば滝上の河原に出られるはずなので、大高巻になってしまうがそのまま真っすぐ登る。
沢の音が聞こえなくなるくらいまで登り、尾根までもう少し、という所が切り立っていて悪い。
落ちたらどうしよう?などと考えたら怖くて登れない、「大丈夫、行ける!」と自分に言い聞かせて、雨の後でグズグズの泥付きに無理やりつま先を押し込み、腐りかけた倒木を「お願いだから折れないでね」と騙しだまし掴んでなんとか登った。
あ~怖かった・・
幸い痩せ尾根を乗り越すとすぐ下が河原になっていて難なく降りることが出来た。
普通、あれだけ登ってしまうと降りるのに苦労するのだが、意外と沢床が上がっていて助かった。
その先はゴーロとナメの河原で、快適に遡行。
この沢は奥秩父には珍しい花崗岩の沢で、ちょっと変わった造形のナメが続いていたりしてなかなか面白かった。
1600m圏の二股を右へ行くと、ほどなく水が枯れ稜線が見えて来た。
この沢は倒木も藪もガレも無く、快適に詰めあがれる。
あと少し。
いつもの事ながら、空が見えてからが長く感じる。
ようやく主脈縦走路に到達。
予定通り大ダル付近の鞍部に出た、さすが!
鹿剥ぎだろうか、モミの樹皮が剥がされて痛々しい。
稜線に出ると、曇っていたのは秩父側だけで、山梨側は晴れていた・・・
飛龍山が目の前。
時間は昼過ぎ。
ここで靴を履き替えて、登山道で丹波へ下る。
と言っても、ここから飛龍権現まではダラダラとした登り坂で、なんだかんだで200m近く登らされた。
よっぽど普段の行いが悪いのか、さっきまで晴れてたはずが、禿岩に着くころにはガスがかかって展望が無くなっていた。
天気が良ければここから大菩薩方面が一望できるはずだったのに。。
ただ、この岩尾根ではシャクナゲが見事に咲き誇っていて、ずいぶん癒された。
ここから「もしかしたら15時45分丹波発のバスに間に合うかも?」と考えて、ペースを上げて下山にかかる。
前飛龍、熊倉山、サオラ峠と駆け足で下る。
急いで通過するのがもったいないような気持ちのいい尾根道だが、その次のバスは18時20分まで無い。
なんとか間に合いたい。
満開のヤマツツジを愛でる間も惜しんで下る。
かなりいいペースで歩いたはずだったが、山道を抜けて畑に出た所でタイムアウト。
結局20分ほど足りなかった。。
まあ、仕方ないか。
せっかくなので温泉に入って行こうと、道の駅の「のめこい湯」に寄り道。
ゆったりと汗をながし、湯上りに冷たいビールで喉を潤す。
この時ほど電車山行で良かった!と思った事はない。(笑)
結果的には、ここで汗をながして着替えられたのは良かった。
2日分の汗を吸ったシャツは自分でも閉口するくらい臭くて、あのまま電車に乗っていたらかなり迷惑だったと思う。
重たいザックを持ち歩きたくなかったので、「まさかこんな泥だらけのザックを持ち去る奴はいないだろう」と道の駅の裏に置いて行ったのだが、帰ってきたらこんな事になっていた。(笑)
どうやら登山者ご用達の湯らしい。
ここからバスと電車を乗り継ぎ、残りHP1桁の疲れ果てた体を引きずってどうにか家に帰り着いた。
あ~疲れた。。。
お世話になったなんさん、車で送っていただいたkurooさん、どうもありがとうございました。
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