入奥沢中腹道から鷹ノ巣山
久しぶりの山行。
浅間尾根登山口の奥集落から、入奥沢中腹道で榧ノ木尾根に乗り、水根山から鷹ノ巣山まで歩いて浅間尾根を下った。
ルート図
先月、母が亡くなった。
2年ほど前から目を患って一人での生活が難しくなり、施設に入っていた。
目が見えない以外は元気に過ごしていたのだが、8月に何かの拍子で背中を痛め、半月ほど入院したら急に弱り始めた。
あとはもう坂道を転がり落ちるように体力が落ちて、最後は食事もとれなくなってそのまま逝ってしまった。
医師の診たては老衰との事だったが、私の眼には、生への活力を失って自ら死を選んだように見えた。
寝て起きるだけの生活は、私たちが思っている以上に辛かったのかもしれない。
そんな訳で山どころではなかったのだが、ようやくひと段落着いたので紅葉を見に行ってきた。
登山口の先の林道わきに車を停め、林道を進む。
舗装が切れてしばらく行くと林道終点。モノレールに沿って登ってゆく道に入る。
モノレールを上に見送って、斜面をトラバースして登ってゆく。
この分岐でミス。左に行ったがこっちは作業道だった。正解は右。
かなり明確な道を進んで最初の沢を越える。
色づき始めた雑木林に癒される。
2本目の沢を越える所で、その先がザレたトラバースでちょっと頼りない感じ。
迂回路があるのか?と探していると、上の方に黒い影が?
親子連れのクマが夢中で何かを食べていた。
結構距離があるので大丈夫だと思ったが、一応笛を鳴らしてどいてもらう。
・・・が、一瞬こちらを見ただけで、また地面をほじくっている。。
クマは嗅覚と聴覚は優れているが、目はあまり良くないらしい、20mくらいまでしか見えないとか。
多分こちらの姿が見えていないのだろうな。
もう一度鳴らしてみたが、やはり動いてくれる気配がない。。
前に和名倉山で遭った奴は、面倒くさそうにしながらも逃げてくれたんだけどなあ。。
無視して行っちゃおうかと思ったが、後ろから追いかけて来られたらやっかいだ。
再度、今度は少し長めに鳴らしたら、子熊の方が斜面を登って行き、母熊もそれを追って離れていった。
やれやれ。。
進むにつれて道型は頼りなくなるが、まだ追える。
所々で古い石積みの跡や朽ちた桟道があり、正しい道を歩いている事が確認できた。
写真だとよくわからないが、道型は割と明瞭。
無事に入奥沢へ。
この沢を越えた先は、ザレ場の登りになっており、踏み跡は見えたがちょっと危なっかしい。
ネットで見た情報通り、少し下った所で出合うヒヤマゴ沢を登る。
どこから道に復帰できるのか注意しながら登って行くと、50mくらい登った所で右岸の斜面に石積みの道が下ってきた。
道が降りてきた対岸を探すと、薄い踏み跡があった。
ただ、二手に分かれている。。
こういう場合、迷ったら登る道を選ぶことにしている。
その方が間違って戻るときのダメージが少ない。
結局、どちらの道も先で一本になっていたが、どちらかと言うと下の道の方が正解っぽい。
尾根を回り込んだ所からは九十九折れに斜面を登って行く。
ネットの記事だと、この辺は道型明瞭とあったが、結構薄かった。
これから落ち葉が積もるとわかりにくいと思う。
ようやく展望が開けてきて、紅葉の向こうに榧ノ木山が見えてきた。
カタサメ沢右岸尾根を越えるとカラマツ林の明るい道。
ようやく登山道に出た。
ここが入口。ロープが張ってあったけど、普通の人はまず入らないでしょ。
縦走路を越えて
水根山へ。
石尾根の木々はもう葉を落としていた。
遠くに白根三山、まだ雪化粧はしていない。
ひと月以上山から離れていたので、最期の登りで足が攣りそうになった。
富士山は雲の上にちょっとだけ。先日初冠雪があったらしいが、真っ黒だった。
ゆっくりおにぎりを食べて休んだら、あとはのんびり下山するだけ。
避難小屋。
小屋の周りはちょうど紅葉のピーク。
ミズナラやイヌブナの黄色も美しい。
色づいた榧ノ木尾根。
良い気分転換が出来た山行だった。
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