栃ノ木入から日向沢ノ峰
飯能の山を歩いてきた。
栃ノ木入沢を登って日向沢ノ峰へ、下りは50号鉄塔からの廃道を下った。
ルート図
有間川の源流に栃ノ木入という沢がある。
地形図に記されている、この沢沿いの破線がずっと気になっていた。
おそらく相当古い道で、すでに歩けなくなっていると思われたが、検索してみると歩いた記録がいくつか見つかった。
ぶなじろうさんも歩かれていて、やはり途中で道は消えているそうだが、沢筋を登って有馬山へ行けるようだ。
尾根ばかり歩くのも食傷気味だし、渓流シーズンに備えて沢を歩くのもいいか、と行ってみることにした。
ついでに、やはり気になっていた50号鉄塔から林道に下る道も歩いてみよう。
車で有間川沿いの林道を進むと、落合の渓流釣り場の先で通行止めになっていた。
滝の入沢まで行けると思っていたが、仕方なく釣り場の駐車場に車を置かせてもらって歩き出す。
30分ほど歩いて栃ノ木入沢出合へ。
沢を渡って対岸のブル道を歩く。前に中尾根を登った時もここから取りついた。
しばらくは明確な道。
徐々に細くなって行き
ヤブ漕ぎの踏み跡になる。
最初の沢を合わせた所で一度道が消えるが、その先で復活する。
しかし、2つ目の沢で完全に消えた。
沢に降り、飛び石で対岸に渡ると小屋跡。
ここからは左岸に踏み跡が続いていた。
沢を渡り返しながら踏み跡を追って歩く。思ったより奥まで続いていた。
この小滝の手前で道は消え、あとは水線を進む。
沢靴なら何てことない滝も登山靴だとちょっと怖い。
水は細く、濡れることもなく遡行できる。
ミソサザイの囀りに春を感じる。そろそろ釣りに行きたくなってきた。
堰堤を越えると
750m圏の三又へ。
玉網が落ちていた。魚がいるようには見えなかったが、ここまで釣り人が入るのだな。
破線のついている一番右の沢に入るとすぐに小滝。
直登は出来ない。
滝上で沢が左に曲がっているので定石は左巻きだが、斜面がグズグズで悪そう。
ギリギリ行けそうだが、滑ったら下まで落ちる。
大巻きになるが、安全をとって右から巻いた。
滝下に軽トラックがひっくり返っていた。どこから落ちてきたのだろう?
次の堰堤を巻いて
林道が見えた所の小滝がボロくてちょっと手こずる。
あとはガレた斜面を登って林道大名栗線へ。
林道に上がるところがザレていて嫌らしかったので、この排水路をくぐろうかと思ったら、抜けた先が水たまりだった。
林道を越えてさらに遡行する。
悪いところは無かったが、上の方は荒れてズタズタになっていた。
倒木と排水溝の残骸から右手の斜面に逃げて
無事に林道逆川広河原線へ。通行止めになって久しいせいか、落ち葉に埋もれていた。
ここまでで結構体力を消耗してしまい、有馬山と仁田山は林道で巻いた。
久しぶりの有馬峠から名栗湖を望む。
日陰はまだ雪が残る。
日向沢ノ峰、久しぶりに来た。
冬だと富士山が綺麗に見えるのだが、この日は春霞にかすんでいた。
蕎麦粒山と三ツドッケ。
昼食後、棒ノ折方面に下り、50号鉄塔手前のこの標識から落合方面に斜面を下る。
踏み跡は薄いがマーキングが点々とつけられており、なんとか辿れる。
トラバースは細くて悪い。
まだ沢が凍っていた。
道は沢沿いを行くのだが、高度感があってかなり怖い所もあった。
降りて沢筋を行こうか迷ったが、なんとか通過。
降りるにつれて沢が広がり、平和な道になる。
・・・が。
最後林道が見えた所で堰堤が崩れていた。
トラロープが張ってあるが、足場が落ちているので全体重を預けなければならない。
それはさすがに危険すぎる。
ここは安全第一でロープを出した方が良さそうだ。
・・・と思ったら・・・え?ロープが無い!?
この間ザックを洗った時に入れ忘れていたようだ。
どうしたものか。。
ザレた崩落斜面を無理やり滑り降りちゃおうかと思ったが、一歩踏み出しただけで派手に崩れた。
手前に石垣があるけど、丸石で滑りそう。
植林帯まで上がれば巻けるけど面倒だな。
対岸に渡っても状況はたいして変わらない感じ。。
しばし逡巡の後、この立ち木に抱き着くようにしてずり降りた。
なんとか林道へ降り立って一安心。久しぶりに緊張した山行だった。
林道から。山肌が薄っすら赤みを帯びてきていた。もうすぐいい季節になる。
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