ヤマメの川へ
秩父にヤマメ釣りに行ってきた。
このところの暑さで、どうも山に登る気になれない。
高い山ならそれなりに涼しいのだろうけど、遠出するのも億劫だし、人が多い所は行きたくない。
やはり暑い時期は沢に行くのが正解だろう。
そんな訳で秩父の沢へ。
今回はどうしてもヤマメを釣りたくて、ヤマメ域の川へ向かった。
ところが、車止めに着くとすでの5台の車が。。
全部が釣り人では無いと思うが、この状況だと予定していた所は先行者がいる可能性が高い。
しばし考えて他の川へ移動する。
あまり奥に行くつもりが無かったので、ゆっくり家を出たせいでもう7時近い。この時間だと行ける場所も限られる。
結果、前回行った川の下流部へ。
ここは入渓が楽なので人が多く、絶望的に魚影は薄い。
20年近く前に一度だけ釣ったことがあるが、その時は一匹も釣れなかった。
大体いつ行っても先行者がいるし、それ以来一度も釣りに入ったことが無かった。
幸い今回は先行者はいない、準備をして川へ降りる。
沢筋は涼しい風が抜けて気持ちがいい、やっぱり夏は沢だな。
最初のポイント、流心脇の巻き返しに毛鉤を送り込む。
流れに乗ってゆっくりと回っていた毛鉤が2周目に入ろうとした時、派手に飛沫が上がって毛鉤が消えた。
すかさずアワせる。
ずっしりと魚の重みが手元に伝わった瞬間、「バキッ!」という音がして竿が折れた。
えっ!?何?
この間折ってしまって修理したばかりなのに?
まだ魚は外れていないので、とりあえず折れた先を掴んで魚を引き寄せる。
幅広の綺麗なヤマメだった。
8寸くらいだけど、私にしては良い型である。
写真に収めた後、しばらく見とれてからリリース。
この川のヤマメは本当に美しい、放流が無く純血が守られているせいだろうか。
放してから竿を調べる。見ると先日折って交換したブランクの一つ下が折れていた。
この部分は上下とも一度折って新しい部品に替えているので、もしかすると力の加わり方が変わって折れてしまったのかも知れない。
テンカラ竿って一日中振り回しているので、意外に竿にかかる負荷が大きいのだ。
折れてしまったものはしょうがない、予備の竿に替えて釣りあがる。
私はしょっちゅう竿を折るので、スペアは必ず持ってゆく。
同じ竿を2本持って行けば、同じ個所を折らない限り部品を差し替えて使えるので、せっかく来たのに竿が無くて釣りができないという事態を回避できる。
その後、すぐに中型の魚が毛鉤を追った。
咥えそこなったみたいでハリ掛かりしなかったが、しつこく打ち込んでいたらまた出た。
しかし今度も空振り。一瞬毛鉤に触った感覚があったので、その後はもう姿を見せなかった。
今日は型を見れれば十分、と思っていたのに、意外と魚の反応があってびっくり。
だが、その後は沈黙が続いた。入渓点で釣れると後が続かない、というジンクスは健在だった。
ここは落差も少なく、悪場も無くて純粋に釣りをするには良い区間である。
いつも源流ばかり釣って無意識のうちに釣りが雑になってしまっていたので、今日はしっかりと釣りと向き合ってみようと思う。
体を低くしてそっとポイントにアプローチし、手前のポイントから丁寧に攻めてゆく。
コンパクトに竿を振って、ラインで水面を叩かないように毛鉤だけを落とす。
できるだけテンションをかけず、水面直下を自然に流れるように竿を操作する。
こんな基本的な事が満足にできていない事に気づく。
テンカラという釣りの特性もあるのだけど、私は淵よりも瀬での釣りを好む。
何でも無い瀬尻から良型が飛びだしてくれたりするとゾクゾクする。
若い頃は釣れれば何でもよかったけど、最近は好きなポイントで狙った通り釣りたいと思う。
残念ながらこの日は瀬にはあまり魚が着いていなかった。
たまに釣れるのは何故か小さなイワナばかり。
激戦区なので仕方ないか。。
時間はたっぷりとあるので、普段の倍以上の時間をかけて、一つ一つのポイントを丁寧に探って行く。
ここで真ん中に顔を出した小さな岩の横、白泡の下から出た。
また8寸クラスのヤマメ、体高があってサイズのわりに良く引いた。
やっぱりヤマメが釣れてくれると嬉しい。
ここは秩父の川にしては開けていて、のびのびと竿を振れるのが良い。
古い堰堤に到着。そろそろ終了点が近い。
堰堤を巻き越えると、その上は土砂に埋まって釣りにならなかった。
まだ釣り足りなかったが、その先のゴルジュに突っ込む気にもなれず、昼飯を食って竿をたたんだ。
ボウズ覚悟で入った川だったが、予想外に良い釣りができた。
今シーズンもそろそろ終わりだが、あと一回くらいヤマメに会いに行こうと思う。
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