自粛日記
なんとも窮屈な世の中になってしまった。
私は、車で行って人に会わないように行動する分には、山でも釣りでも問題ないと思っていたのだが、地方に住んでいる人からすると、とにかく他県ナンバーの車が走っているだけで不安を感じるらしい。
目に見えない相手だけに、過剰に警戒してしまうのだろう。
でも、自分が逆の立場であれば、やはりいい気持ちはしないだろうと思う。
車で通過するだけで迷惑をかけてしまうのであれば、もう行かない方が良い。
コソコソ出かけるのも、真面目に山を我慢している人たちをバカにしているようで気が引ける。
そんな訳で当分の間、山は自粛することにした。
アカヤシオに会えないのは残念だが、花は来年も咲く。
STAY HOMEの週末、気分転換にすこしだけ近所を散歩してきた。
いつも川遊びやバーベキューの人で混雑する河原は、いつの間にか駐車場が閉鎖され、自粛の看板と横断幕がベタベタと掲げられていた。
そんな逆境のなか、まさにその自粛看板の真下で酒盛りをしているグループが一組。
見上げた根性である。
バーベキューというのは、それでも敢行しなければならないほど魅力的なアクティビティなのだろうか。
もっとも、世間一般の人から見れば、勝手な理屈をふりかざして山に行く人も彼らと大して変わらないのかも知れない。
今の時期、道端に色とりどりの花が咲いている。
ただ歩いているだけでは能がないので、知らない雑草の名前を調べてみた。
あちこちに小さな群落を作っていた紫色の花。
帰ってから調べてみたらムラサキサギゴケと言う花らしい。
よく観察してみると、野に捨て置くのが勿体ないくらい綺麗な花である。
これもよく見かける花だが名前を知らなかった。
ヘラオオバコ。
背も高くて大きいが、言われてみれば葉も花もオオバコに似ている。
木でも草でも、名前を知ると愛着が湧いてくるから不思議である。
オニグルミの花。
初めて見たが、これが実をつける雌花なのだとか。
子房がわずかに膨らんでいるように見えるので、もう受粉した後なのかも知れない。
同じ木で、葉腋に垂れ下がった花序が雄花。
こちらはまだ開いていないように見える。
オニグルミは雌雄同株だが、雄花と雌花の開花時期をずらす事で自家受粉を避けているのだそうだ。
この株とは逆に、雄花が先に熟す木が近くにあるのだろう。
樹木の生存戦略ってすごい。
ただの散歩でも、色々と発見があった。
いい機会だから、少し身近な草木を観察してみる事にしよう。
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