7月14日大血川の沢を歩いてきた。
西谷の支流鉄砲沢(桶木沢)を詰めて東谷支流の新山沢を下降するルート。
ルート図 早々に梅雨が明けて連日の猛暑。
この暑さの中、低山の尾根歩きは熱中症が怖い。
やはり夏は沢だろう。
本当は釣りがてら奥秩父の沢を歩こうと思っていたのだけど、好天の連休はどこの沢も人が入っているはず。先行者を気にしながら窮屈な沢歩きはしたくない。
ならば、釣り人の入らないマイナーな沢を歩こうと考えたのである。
朝7時に林道の駐車スペースを出発。
車道を少し歩いてから西谷に降りる。
取水施設の橋を渡ると対岸に滝が落ちているのが見える。
一見、沢に見えるが、これは東谷で取水した水の放水口。
そこから少し上流に歩いた所が鉄砲沢の出合い。
ここから沢を遡行する。
すぐにでも流れに浸かりたくなるが、左岸の作業道を辿ってもう少し上流へ。
支沢に拓かれたワサビ田跡がある。
ここから沢に降りる。
冷たい水が気持ちいい。
最初の小滝は右から越える。
この辺は植栽地、昭和20年に広葉樹を植えるというのは実験的な意味合いがあったのだろうか。
日が差してきた。
まだ気温も低くて快適。
ゴルジュの入り口。
倒木を使って登れそうだが、右から巻く。
次の滝。
釜をヘツって突っ張りで登れるようだが、ここも左から巻く。
ゴルジュ出口のスダレ状滝。
ここは巻くと大変そうなので右から登る。
簡単だが、上が滑りやすいナメになっていて緊張した。
その先は平坦な渓相。
上流からヒンヤリとした風が流れてきて涼しい。
休憩していると汗が冷えて寒さを感じるほど。やっぱり夏は沢に限る。
滝も簡単に越せるので超安楽。
気持ちよく遡行していると、かすかに生臭い匂いが流れてきたような?
念のためホイッスルを・・・・
あぁっ、いけね~!ホイッスル忘れた!
・・というか、先日大ドッケに行った時に紛失してそのまま忘れてた。。
仕方なく手を叩きながら遡行する。
なんかあまり効果なさそう。。
少し行ったところで上から落石の音。
慌てて木の陰に身を隠すと、10mくらい先をガラガラと石が飛んで行った。
大きいものは漬物石くらいあった、あんなのが直撃したらタダでは済まなかった。
ひょっとして、さっきの匂いはカモシカだったのだろうか?過去にも何度か石を落とされた事があるが、沢ではクマより性質が悪いかもしれない。
炭焼き小屋の跡。

徐々に水が細くなってゆく。
日が高くなるとハルゼミが鳴きだした、そろそろ終わりが近いようで今一つ元気がない。
二股を右へ。
この辺で水が枯れる。
次の二股、水は無いが沢型は右。
また分岐、左の沢床が低いが地形図を見てこれも右。
すぐに枯れ滝。
楽勝で登れる、と思ったら最後の1mでホールドがグラついた。
ビビってしまい、戻って右から巻く。
その上で一瞬水が復活、この先取れるかわからなかったので一応汲んでいく。
この日はあちこちでウスヒラタケが腐っており、これは唯一マトモな個体。
量が少ないので採らなかった。
こういう感じのガレた登りが延々と続く。
退屈な上に、水が枯れてからは暑さがこたえる。
直接日が当たらない分多少はマシだが、風も通らず湿度も高くてツラい。
本筋は右だが、ガレを歩くのに疲れたので左の窪から尾根に逃げる。
ひと登りで長沢山の北東尾根に乗った。
予定通り、1590を過ぎて最後の登りにかかる手前の平坦地に乗ることができたようだ。
我ながら上出来。(笑)
時間は11時、長沢背稜に登るつもりはないのでここで早めの昼食。
・・しかし、ここはハエが凄い!
羽音がうるさく感じるくらいの数がいる。顔の前で手を振ると簡単に2~3匹のハエが捕まる。
去年和名倉山に行った時もすごかったがここも負けていない。
どうやらこの時期の秩父の尾根はハエが大発生するらしい。
あわただしくおにぎりを食べて、タバコに火をつけたら3分の1ほどに減った。
タバコの毒性って相当なものなんだろうな、と改めて思う。
休憩の後、尾根の反対側を下ってゆく。
いい具合に斜面を斜めに下って行く踏み跡があった。
これを拾って電光形に斜面を降りてゆく。
広い斜面を下ってゆくと
緩い窪状に導かれ
そのまま沢になった。
こちらもガレ気味だが、すぐにしっかりと水が流れ出した。
水が出てくると急に涼しくなる。
傾斜も緩くて快適に下れるが、浮石が多いので足を捻らないよう慎重に下った。
支流を合わせると水量が増えて
最初の滝。
特に危険なところも無く、簡単に下って本流との出合いに到着。
この下からは演習林の作業道が拾えるのでこれを辿る。
堰堤で沢を渡るとすぐに林道に出て
あとは林道を下ってゆくだけ。
この道で今年初めてヒグラシの声を聴いた。
林道入り口のゲートに「立ち入り禁止」の札がこれでもか、と貼られていた。
これは通行禁止になった酉谷山への登山道に入らないように、との事だと聞いたが、釣りなどで通る際も注意した方が良いかもしれない。あくまでも自己責任で。
14時すぎに車に帰着。
思ったより簡単なルートで、沢登りとしてはちょっと物足りないかな。
保険で持っていったザイルもハーネスも全く出番がなかった。
それでも、この時期に低山で涼をとれるのは沢ならでは。
この夏は安楽な沢をいくつか歩いてみようと思う。
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