35年ぶりの山
土曜日、久しぶりに奥多摩の山を歩いてきた。
11月25日、今日は浦和レッズがアジア王者をかけた大一番に挑む日。
本当なら山なんか登っている場合ではないのだが、残念ながら私はチケットを手に入れることが出来なかった。
10年前に体験した、全身が総毛立つようなあのスタジアムの雰囲気をもう一度味わいたかったけど、こればかりは仕方がない。
テレビ観戦なので夜まではやる事もない。
気分転換に秩父以外の山を歩いてみたくなり、一般登山道を使って鷹ノ巣山に登ることにした。
実はこの山、高校生の時に一度登った事がある。
といっても当時の私は山登りなんて全く興味が無く、山好きの友人に強く誘われて嫌々登らされたというのが正直なところである。
そんな訳なので、どこから登ってどこに降りたのかも全く覚えていない。
とにかく登りが辛かった事と、バスで登山口まで行って、帰りは直接駅に降りた事だけはうっすらと覚えている。
とすると、考えられるのは日原か奥多摩湖から登って、石尾根で奥多摩駅に降りるというルートだが、奥多摩湖を見た記憶は無いので、おそらく日原から登ったのだと思われる。
山登りの初心者に、いきなり奥多摩三大急登の一つと言われる稲村岩尾根を登らせる、と言うのもひどい話だが、おそらく私をバテさせて優越感に浸りたかったのだろう。
彼とはよく釣りにも行ったが、釣りでは私にかなわなかったので得意の登山で差をつけたかったのだと思う。
という事で、今回は当時の記憶をたどる山歩き。
奥多摩駅発7時27分のバスで東日原へ。
ハイカーで満員だったが、川乗橋で半分ほど降りて行った。川苔山への林道は落石で通れないと聞いていたけど、問題ないのだろうか?
8時前に東日原バス停に到着。
車道を進むと、稲村岩が見えてくる。
岩まではキツそうだけど、その先の尾根は大した急登じゃなさそう。
ここから下って
巳ノ戸橋で日原川を渡る。
ここはなんとなく覚えている、確か最初に下って川を渡った気がする。
そこからは沢沿いに登ってゆく。
途中から沢を外れて右岸の尾根に取り付くと、少し前を歩いていた単独の女性ハイカーが対岸の斜面を登って行くのが見えた。
地図を出して確認。
巳ノ戸尾根で八丁山に登るのだろうか?
ルート的にはそちらの方が楽しそうだが、今回は我慢して昔歩いた道を辿る。
稲村岩の鞍部までは急な登りだったが、いつも歩いている藪尾根の取り付きに比べればまだ常識の範囲内。
尾根に乗ると傾斜が緩む。
明るい尾根道を気持ちよく歩く。
途中、南側が植林帯になった所で年配の夫婦が立ち話をしていた。
丁度喉も乾いたので、先に行ってもらおうとその手前で給水がてら小休止。
ところがその二人、なかなか出発する気配が無い。
仕方なく歩き出して追い越すと、奥さんの方は電話をしていて、旦那さんは横で終わるのを待っているのだった。
どんな大事な電話か知らないが、山の中で10分以上も話し続けるというのはどうなんだろう?
歩いてみると急登というほどではない登りだが、ふと気が付いたら標高が1000mを越えていた。
1時間ほどで500m登ってしまうのだからやはり急なのかもしれない。
この辺からブナやミズナラの大木が目立つようになる。
新緑の頃に歩いたら気持ちいいだろうなあ。
1500m付近からモミなどの針葉樹が混じり始める、植生は秩父と変わらない。
ヒルメシ食いのタワを過ぎると、
一登りで山頂に到着。
富士山が圧倒的な存在感で目の前に立つ。
この広い山頂で昼飯を食べたのは覚えている。
目の前の大展望を眺めながら「どうだ、山は良いだろう?」なんて言っていたっけ。
私は疲労困憊というほどではなかったと思うが、とにかく、もう登らなくて済むという安堵感だけで、楽しいとか面白いとか前向きな感想は全くなかった。
もっとも、今でも何が楽しくて毎週山に登ってるのかよく分かっていないので、当時からあまり進歩していないのかもしれない。
山頂には結構な人が休んでいたが、先週の棒ノ折のような殺人的な人出ではない。
タバコに火をつけて展望を眺める。
どれがどの山なんだろう、下に見える集落が小菅村だろうか?
とするとあの平らな尾根がモロクボ平かな、その尾根を右に行った高い山並みが大菩薩連嶺だな。
大菩薩の奥には雪をかぶった南アルプスの山々が白く輝いていた。
景色を眺めながら早めに昼飯を食べても良かったのだけど、霜が溶けた地面はグチャグチャにぬかるんで、お店を広げると泥だらけになりそうだったので、一服しただけで出発。
やはりぬかるんだ急斜面を慎重に下って、城山の小ピークで昼食休憩。
鷹ノ巣山は冷たい風が吹いていたが、ここは風もなくて穏やかだ。
葉を落とした枝越しに都県境の山々が見える。
三ツドッケ。
こちらから見る三ツドッケは今ひとつだねえ。
昼食後は快適な尾根道を奥多摩駅方面に進む。
おおむね緩い下りで、ちょっとしたピークも全部巻いて歩けるので楽チンである。
何より地図を見なくても良いので、のんびり景色を楽しみながら歩けるのが良い。
ただ、この辺りを歩いた記憶が蘇ってくることはなかった。
おそらく景色を楽しむ余裕も無かったのだろう。
奥多摩側の山。
御前山と大岳山かな。
蕎麦粒山が近くなってきた。
三ツドッケはさらに恰好悪くなってゆく。
三ノ木戸山を過ぎると植林帯が出てくるが、その切れ目で見事な紅葉に出会えた。
新緑と紅葉の時期の山歩きは最高の贅沢だ。
特にこんな好天に恵まれると、今日山に行かない奴はバカだ、とさえ思える。
とはいえ、私もチケットが手に入っていれば山には来なかったのだけど。。
最後は植林帯を下って奥多摩の町に降りた。
駅に着いたのが14時ちょうど。思ったより早く着いた。
さあ、あとは帰って一風呂浴びたらビールを飲みながらレッズの応援だ。
適度に体に負担をかけたので、今日はいくらでも飲めそうだ。
ただ、今から帰ると試合開始までだいぶ時間が空いてしまう。
キックオフまでに飲み過ぎないように気を付けなければ。(笑)
といっても当時の私は山登りなんて全く興味が無く、山好きの友人に強く誘われて嫌々登らされたというのが正直なところである。
そんな訳なので、どこから登ってどこに降りたのかも全く覚えていない。
とにかく登りが辛かった事と、バスで登山口まで行って、帰りは直接駅に降りた事だけはうっすらと覚えている。
とすると、考えられるのは日原か奥多摩湖から登って、石尾根で奥多摩駅に降りるというルートだが、奥多摩湖を見た記憶は無いので、おそらく日原から登ったのだと思われる。
山登りの初心者に、いきなり奥多摩三大急登の一つと言われる稲村岩尾根を登らせる、と言うのもひどい話だが、おそらく私をバテさせて優越感に浸りたかったのだろう。
彼とはよく釣りにも行ったが、釣りでは私にかなわなかったので得意の登山で差をつけたかったのだと思う。
という事で、今回は当時の記憶をたどる山歩き。
奥多摩駅発7時27分のバスで東日原へ。
ハイカーで満員だったが、川乗橋で半分ほど降りて行った。川苔山への林道は落石で通れないと聞いていたけど、問題ないのだろうか?
8時前に東日原バス停に到着。

車道を進むと、稲村岩が見えてくる。

岩まではキツそうだけど、その先の尾根は大した急登じゃなさそう。
ここから下って

巳ノ戸橋で日原川を渡る。

ここはなんとなく覚えている、確か最初に下って川を渡った気がする。
そこからは沢沿いに登ってゆく。

途中から沢を外れて右岸の尾根に取り付くと、少し前を歩いていた単独の女性ハイカーが対岸の斜面を登って行くのが見えた。
地図を出して確認。
巳ノ戸尾根で八丁山に登るのだろうか?
ルート的にはそちらの方が楽しそうだが、今回は我慢して昔歩いた道を辿る。
稲村岩の鞍部までは急な登りだったが、いつも歩いている藪尾根の取り付きに比べればまだ常識の範囲内。
尾根に乗ると傾斜が緩む。

明るい尾根道を気持ちよく歩く。
途中、南側が植林帯になった所で年配の夫婦が立ち話をしていた。
丁度喉も乾いたので、先に行ってもらおうとその手前で給水がてら小休止。
ところがその二人、なかなか出発する気配が無い。
仕方なく歩き出して追い越すと、奥さんの方は電話をしていて、旦那さんは横で終わるのを待っているのだった。
どんな大事な電話か知らないが、山の中で10分以上も話し続けるというのはどうなんだろう?
歩いてみると急登というほどではない登りだが、ふと気が付いたら標高が1000mを越えていた。
1時間ほどで500m登ってしまうのだからやはり急なのかもしれない。
この辺からブナやミズナラの大木が目立つようになる。

新緑の頃に歩いたら気持ちいいだろうなあ。
1500m付近からモミなどの針葉樹が混じり始める、植生は秩父と変わらない。
ヒルメシ食いのタワを過ぎると、

一登りで山頂に到着。

富士山が圧倒的な存在感で目の前に立つ。

この広い山頂で昼飯を食べたのは覚えている。
目の前の大展望を眺めながら「どうだ、山は良いだろう?」なんて言っていたっけ。
私は疲労困憊というほどではなかったと思うが、とにかく、もう登らなくて済むという安堵感だけで、楽しいとか面白いとか前向きな感想は全くなかった。
もっとも、今でも何が楽しくて毎週山に登ってるのかよく分かっていないので、当時からあまり進歩していないのかもしれない。
山頂には結構な人が休んでいたが、先週の棒ノ折のような殺人的な人出ではない。
タバコに火をつけて展望を眺める。
どれがどの山なんだろう、下に見える集落が小菅村だろうか?
とするとあの平らな尾根がモロクボ平かな、その尾根を右に行った高い山並みが大菩薩連嶺だな。
大菩薩の奥には雪をかぶった南アルプスの山々が白く輝いていた。
景色を眺めながら早めに昼飯を食べても良かったのだけど、霜が溶けた地面はグチャグチャにぬかるんで、お店を広げると泥だらけになりそうだったので、一服しただけで出発。
やはりぬかるんだ急斜面を慎重に下って、城山の小ピークで昼食休憩。
鷹ノ巣山は冷たい風が吹いていたが、ここは風もなくて穏やかだ。
葉を落とした枝越しに都県境の山々が見える。
三ツドッケ。

こちらから見る三ツドッケは今ひとつだねえ。
昼食後は快適な尾根道を奥多摩駅方面に進む。

おおむね緩い下りで、ちょっとしたピークも全部巻いて歩けるので楽チンである。
何より地図を見なくても良いので、のんびり景色を楽しみながら歩けるのが良い。
ただ、この辺りを歩いた記憶が蘇ってくることはなかった。
おそらく景色を楽しむ余裕も無かったのだろう。
奥多摩側の山。

御前山と大岳山かな。
蕎麦粒山が近くなってきた。

三ツドッケはさらに恰好悪くなってゆく。

三ノ木戸山を過ぎると植林帯が出てくるが、その切れ目で見事な紅葉に出会えた。



新緑と紅葉の時期の山歩きは最高の贅沢だ。
特にこんな好天に恵まれると、今日山に行かない奴はバカだ、とさえ思える。
とはいえ、私もチケットが手に入っていれば山には来なかったのだけど。。
最後は植林帯を下って奥多摩の町に降りた。
駅に着いたのが14時ちょうど。思ったより早く着いた。
さあ、あとは帰って一風呂浴びたらビールを飲みながらレッズの応援だ。
適度に体に負担をかけたので、今日はいくらでも飲めそうだ。
ただ、今から帰ると試合開始までだいぶ時間が空いてしまう。
キックオフまでに飲み過ぎないように気を付けなければ。(笑)
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