初夏の源流
週末、荒川水系渓流保存会の調査に同行させてもらい、一泊で秩父の源流を歩いてきた。
今回のメンバーは川獺庵さん、Aさん、Sさん、私の4人。
朝5時に車止めを歩き出す。
生憎の天気で、雨が降ったり止んだり。
合羽を着るかどうか迷うような降り方で、森の中ではさほど濡れない。
雨の中、4時間かかって泊まり場に到着。
ここに荷物を降ろして、上流を釣る。
天気が悪いので腰が重くなってしまいそうな所だが、気合を入れて出発。
今回入るのは、奥秩父でも1、2を争う美渓。
私も入渓するのは15年ぶりくらい。
ずっと行きたかったのだが機会をのがしてしまっていた。
今回はようやく念願かなっての遡行。
期待に胸が高まる。
この沢、最初はゴルジュ帯が続くので、竿は出さずに遡行。
最初の高巻き。
また巻き。
今度はヘツり。
まだ竿は出さない。
またまた高巻き。
ようやく竿を出して遡行。
4人で交替で釣るので、なかなか順番が回ってこない。
古い残置ロープが痛んでいたのでザイルを出す。
私は気にせずに降りてしまった。(笑)
小さな淵の開きで、元気に毛鉤に飛びついてきた今年の初物。
この沢のイワナは朱色が濃く出ていてとても美しい。
この滝も高巻きで越える。
皆さんが竿をたたんだ所で、私はちゃっかり竿を出して尺物を釣ってしまった。(笑)
すぐにまた高巻き。
竿を出したまま巻いている人がいるが、危険なので普通の人は止めた方が良い。
ここは流れの脇を登る。
倒木が掛かっていたのでちょっと登りにくい。
今日はイワナの機嫌も良くて、みんな満足の様子。
横向きの滝。
ホソエカエデにしては葉が大きいな?と思ったらテツカエデだそう。
材が黒いのでテツカエデなんだとか。
今回から着用する事にしたヘルメット。
通気孔が少ないのでちょっと蒸れる。
この滝も横向き。
この沢は色々な表情の滝があって飽きさせない。
切り絵のようなムシカリの花びら。
この木は東北あたりに行くと林道脇で見られるが、関東では標高1500mくらいの亜高山帯の植生。
そろそろ体力の限界という所で、ようやく魚止めに到着。
ここから山道に上がって下山する。
下では終わってしまっていたシャクナゲがこの辺りではちょうど見頃。
去年が当たり年だったせいか、今年は花が少なめかな?
かなりヘロヘロになりつつ、どうにか泊まり場まで戻った。
30代の頃は日帰りで魚止めまで行って帰って来れたが、今はもう絶対無理。
泊まりでなんとか、というレベルまで体力が落ちてしまった。
今年は足腰の鍛錬にと、トレッキングの真似事を始めたのだけど、やはりぬるい低山をちょっと歩いたくらいでは大して意味がなかったようだ。
夜、河原で酒を飲んでいたら珍しいお客さんが。
ハルゼミ。
もうそんな季節なのだなあ。
翌日、元気に早起きして上流へ釣りに行った川獺庵さんとSさんを見送って、私とAさんは近場でのんびり竿を出す。
元気なイワナが何匹か遊んでくれた。
今日は天気も回復して絶好の釣り日和。
まぶしい新緑の中、清冽な流れに漬かりながら綺麗な岩魚と戯れる。
こんな贅沢な遊びはない。
私は昨日から足首に違和感があって、帰り道が不安だったので、先に下山させてもらった。
休み休み行けば問題無さそうだったけど、みんなに迷惑を掛けたくなかったので。
ハルゼミの声を聞きながらの帰り道。
私の一番好きな季節、歩いているだけで体中が幸福感で満たされる。
足の痛みを忘れてしまいそう。
ミズナラの古木にマスタケが出ていた。
まだ幼菌だけど、少しだけ分けて頂く。
どうにか足も持ってくれて、無事に車まで戻る事ができた。
疲れたけど、楽しい山行だった。
参加されたみなさん、どうもありがとうございました。
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