20年ぶりのスキー
週末は家族サービスでスキーに行ってきた。
若いころは良く行っていたが、ふと気がつくと、もう20年以上もスキーから遠ざかっていた。
友人も行かなくなったし、興味の対象から外れてしまったというのもあるが、渓流釣りをするようになり、閉鎖されたスキー場に木を植えるなどの活動に参加させてもらったりしているうちに、大規模な自然破壊を前提にしたレジャーに抵抗を感じるようになったというのが正直なところである。
子供が行ってみたいと言い出した時もかなり逡巡したのだけど、家でゲームばかりやっているより、興味があるうちにアウトドアの遊びを教えてやった方が良いかな?と考え、久しぶりに行って見ようかという事になった。
もう一つ背中を押してくれたのが、ネットで見つけたりとるばーどというペンション。
ここでは宿泊客にウエアとスキー一式を無料で貸してくれるという。
料金も格安、ちょうど1部屋だけ空きがあったので衝動的に予約を入れてしまった。
まともに3人分の道具をレンタルしたら、それだけでかなりの出費になってしまうので、これはかなり助かった。
当日、渋滞を避けて早朝に家を出る。
笹子トンネルを抜けた辺りで夜が明け、朝日に染まってピンク色に輝く南アルプスの山々が見えた。
宿に着いて3人分のスキーとウエアを借り、程近いシャトレーゼスキー場へ。
久しぶりのゲレンデ。天気が良くて気持ち良い。
まずは子供のレッスン。
平らなところでスキーを履かせたら、何もしていないのにいきなり転ぶ。(笑)
初めは歩き方から教えるのが正しいのだろうけど、つまらない事からやらせるとスキーが嫌いになってしまう可能性があるので、最初から滑らせる。
とりあえずキッズゲレンデで練習。
ボーゲンで停まり方と曲がり方を教える。
ここは大人は滑走禁止なので私は走って付いて行かなければならない。(笑)
4本くらい滑ったら一通りできる様になったので、次はリフトに乗って初級コースへ。
午前中いっぱいくらいはキッズコースかなあ?と思っていたので、早々に滑ることができて一安心。
が、ここで問題発生!
一度だけやった事がある、と言っていた家内が全然滑れない!
リフトを降りたとたんに転び、滑り始めてすぐに転ぶ。
スキーを谷側に揃えて、と教えても自力で起き上がることもできない。
仕方なく一度スキーを外して起き上がらせ、履き直させるとまたすぐ転ぶ・・・
なんとか滑り始めて、スキーをハの字に、と教えてもすぐにトの字になって転ぶ。
またスキーを外して起きる、また転ぶ、の繰り返し。
下まで降りるのに何時間かかることやら。。
自分でもいいかげん嫌になったのか、「もういい!スキー担いで降りる!」などと言いだした。
先に下りて下の方で転んでいる子供が心配なので、とりあえず家内を見捨てて降りる。
子供の様子を見ると、なかなか降りてこないから座って休んでいた、との事。
休むときは端のほうに寄るようにと言い聞かせて、一緒に滑降する。
あれ?!なんか速いぞ?
スピードに対する恐怖心が無いのか、初心者と思えない勢いで滑ってゆく。
風を切って滑る気持ち良さを早くも覚えたようだ。
しかし、まともにコントロールできないうちから飛ばしすぎるのは危ない。
できるだけスピードを抑えて、曲がりながら滑る事を教えながら降りる。
予想に反して、一度も転ばずに下まで降りた、これにはちょっとビックリ。
興奮気味の子供とリフトに乗って2本目。
途中で、やはり担いで歩くのに疲れたのか、スキーを履いて悪戦苦闘中の家内を回収。
後ろに抱きつかせて下まで滑り降りる。
この状態だと、もう子供に付いていけない。(笑)
午後からは挫折した家内を置いて、子供と二人でひたすら滑る。
ずいぶん安定して滑れるようになったので、私もスキーを楽しむ余裕が出来てきた。
今のスキーって曲がり易いのだなあ。
午後だけで10本くらい滑って、最後に上級者コースに挑戦。
最初の32度の斜面、降りられるかな?
絶対にビビッて降りられないと思っていたら、臆することなく降り始めた。
一度尻もちをついただけで無事に滑降。
やるじゃん!
3時くらいまで滑って、早めに宿に戻った。
早速風呂に入って疲れを流す。
結構汗をかいたので風呂上りのビールが美味い!
一泊で来て正解だった、これから運転して帰るなんて想像もつかない。(笑)
ペンションなので、夕飯は洋食のコース。
とても手が込んでいて、下手なレストランで食べるより美味しかった。
この宿は子供連れが多いみたいで、ゲームやおもちゃがいっぱい置いてあった。
せっかく旅行に来たのだから楽しんで欲しい、というオーナーさんの心遣いが嬉しい。
子供も氷のリース作りをさせてもらっていたようだ。
ちなみに私は部屋でビール飲んで早々に撃沈していた。(笑)
翌朝は朝食を取ってすぐに出発。
玄関前に子供が作った氷のリースが飾られていた。
今日は昨日と別のサンメドウズスキー場へ。
八ヶ岳の麓にある広いスキー場。
一番上まで登ると素晴らしい展望が広がっていた。
正面には瑞牆山、右手には南アルプスから遠く富士山までが望める。
冬山に登る技術も根性も無い私にとって、お手軽にこの絶景を拝めるのは嬉しい。
本当に来て良かった。
今日は家内は最初から滑る気なし、子供と2人で午前中いっぱい滑りまくる。
ここは広くてリフトもほとんど待たずに乗れるし、ゲレンデも空いていて気持ちよく滑れる。
昨日と何か違うな?と思ったら、ここはスノーボードの人が居ないのだった。
最近はスキーとボードを分けているスキー場が多いのだろうか。
順調に滑っていた子供がちょっとしたコブに引っかかって転倒。
目いっぱい足を広げた状態からひねってしまったらしくて、足の付け根を傷めてしまったようだ。
なんとか起き上がって下まで降りたが、もう滑れないと言うので昼前に撤収した。
医者にかかるような怪我にならなくて良かった。
20年ぶりのスキーだったが、本当に来て良かった。
子供が思いっきり楽しんでくれたし、意外な上達を見せたのも嬉しかった。
経済的な理由でそう頻繁には行けないけれど、子供が付き合ってくれるうちは、ちょっと無理してでも連れて行きたいと思う。
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